疾患についてひとこと
   <目次>

  <本分>
めまいについて(H26)

最近、いろいろな経験や勉強から「良性発作性頭位めまい症」が非常に多いことに

気づきました。かつての私はこの「良性発作性頭位めまい症」について少し勉強不足だった様です。

以前「頸性めまい」と診断した中には、実は「良性発作性頭位めまい症」だった患者さんが少なからず

おられると思われます。「良性発作性頭位めまい症」は耳鼻科領域のめまいですが、この疾患を

あまり詳しくない診療医もおり、従って診断、治療などはどこの耳鼻科へ行くかによって少し違ってくる

可能性があります。今はインターネットで「自分はこの疾患ではないかと診断して来られる方もいます。

この疾患に限らず、予めインターネットで調べて自己診断して来られる場合、私としては参考として

十分お聞きしています。但しそれを好まれない所もあるかもしれませんのでご注意ください。ntopへ

「認知症における精神症状」について(H23)

認知症の症状はひとによって違っています。その中でも物忘れ(記名力低下)と違い、

「精神症状」(アルツハイマー病では周辺症状とよばれている)は、その人の元々の

性格が反映されているようです。人の性格は変わらないとすれば、認知症における

精神症状も変わらないことになります。ですから注意したり、指摘しても、それが改まることは

少ないと思います。精神症状を抑えるには、薬を投与するわけですが、薬としては漢方の

「抑肝散」が最も一般的です。しかし、それだけでは効果が乏しい場合もあり、その場合は

精神科を受診して専門的な薬を出して頂かなければなりません。
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「特発正常圧水頭症」か 認知症か(H21)

 
くも膜下出血等に続発して起こる「正常圧水頭症」は以前からよく知られている病気ですが

原因
疾患がなくて起こる「正常圧水頭症」が稀ならず存在するということは、医師の間でも、まだあまり

広く知られていません。これを「特発性正常圧水頭症」と言います。

症状は「認知症症状」「歩行障害」「尿失禁」が三主徴です。認知症と極めて類似した症状であり

また画像診断(CTやMRI)的にもよく似た所見を呈しますので、正しく診断するには知識と経験が必要に

なります。しかし、この特発性正常圧水頭症は、通常の認知症と違い手術という極めて有効な治療がある

疾患ですので見落とさないようにしなくてはいけません。

施設等に入所されているお年寄りの中にも、この「特発性正常圧水頭症」や「パーキンソン病」等の方が

おられる可能性があります。つい「認知症だから」とか「高齢だから」というふうに思われていることも

ありますのでご注意してみて下さい。
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「神経内科」について(H23.)


神経内科は元々は内科から「神経難病(パーキンソン病等)や内科的神経疾患」を

診るために分かれた科です。本来精神疾患を診るための科ではありません。

これに対して心療内科は軽症の精神疾患を診るために誕生した科です。科疾患ではありませんので、

一般の方はこの違いはあまりご存知ないようです。例えばうつ病やパニック障害等は

神経内心療内科か精神科が専門です
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「筋肉を和らげる薬」について(H23.)

「肩こり」や「首の痛み」「腰痛」等に対して筋肉を和らげる薬が医師からしばしば処方されます

しかし、私はあまり賛成できません。首の筋肉は頸椎と共同して頭の重さを支える役割を担っていますし、

腰の筋肉や腹筋は腰椎と共同して上半身の重さを支える役割を果たしています。

ところが、薬でこれらの筋肉が緩んでしまったならば、それぞれの頭の重さや上半身の重さは容赦しませんから、

頸椎や腰椎への負担が増すはずです。ですから、これらの薬はこれから寝る、あるいは長時間横になる時にだけ

服用すべきだと私は考えています
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<片頭痛の方は受難の時代>(H19年)

片頭痛の方には、ほぼ共通の性格があるのではないか、という私の見解について前回お話し致しました。

私共の現社会は、段々と<おかしな>社会へエスカレートしていっている、と

多くの方が感じているかもしれません。その中で生きている片頭痛の方は、

対人的ストレスを、まともに受けやすい性格の為、メンタルに変調を来たす方も多いように思われます。

この受難の時代を乗り越えていけるには・・

私の見る限り世の中、当分良くなっていくことはなさそうです。ならば、とりあえずこちらが変るしかありません。

しかし、人の性格は変らないとも言われており、変える必要があるかは個々色々でしょう。

性格は変らなくても「工夫」は出来るのではないでしょうか。

社会や人に対しての警戒心の少ないバリアフリーの性格、おっとり、

のんびりの性格、それを包むバリアを張るのです。

本来の自分を大切に護る為にはバリアを形成するしかありません。

それをしないと、時に心に深い傷を受けてしまうこともあります。

どんなことがあっても心に深い傷を付けないで、かすり傷に留めるのです。まともに受けないようにします。

例えば、私でしたら「斉藤昭人2」というもう一人の自分が「行って来ます」と言って家を出るのです。

緊張感のあるもう一人の自分2。バリアを意識したもう一人の自分2.嫌だと思わず試してみて下さい。

結構楽しいかもしれませんよ。スーパーマンや宇宙エース(古い!)・・等皆さんも2を意識するのです。

無論、一番いいのは世の中、人々の心が清くなることでしょう。


それが叶わないのですから、皆さんがもう一人の自分2を持つのです。

職場で、電車の中で、きつい言動や態度に出会っても、

自分2で受けますから平気です。さあ、明日から<2>で社会、職場へ、学校へ
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<片頭痛と性格>(H19年)

片頭痛の方を診察させて頂いていると、「礼儀正しい」「穏やか」「のんびり」「明るい」「やさしい」
といった方が多いようです。

又、自分より人の都合を優先してあげたり、表だてて自分の意見を主張することはあまりなく、噂話は好まない
人を非難・攻撃しない・人と争うことが苦手といったタイプです。

しかし、何より大きな特徴は他人に対して「バリアフリー・無用心」という点でしょうか

ところが困った事に、世の中は「人様より自分大事」「やられたらやりかえす」「弱肉強食、場合によっては、

人をせめても仕方が無い」という考えが主流の世界でもあります。

その中で片頭痛の方が生きるのは大変な事です。

元々他人への警戒心が少ない為浴びせられる言動にびっくりしてしまいます。

肩こり首こりも起きやすいようですが、片頭痛の誘因の第一位は「対人ストレスから開放された直後」

ですから当然片頭痛が起きやすいわけです。まさに、現代は片頭痛の方受難の時代といえましょう

ではどうしたらよいかのヒントはまた次回
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<片頭痛と季節>(H18年

 
片頭痛は一年中起きますが、「春」「秋口」には特に多く発症する傾向があるようです。

元来、片頭痛の誘因としては、「対人的ストレス」が主なものですが、それとは関係なく、何故か春と秋口に多いようです。

日常のちょっとした習慣が引き金になっている事もあります。

医学の世界では、まだまだ分かっていない事がたくさんありますが、片頭痛の現象の原因・理由もよく分かっていません。

なかなか周囲の方に理解してもらいずらい病気ですが、一人で頭痛を我慢している方は、医療機関に受診

することで、ご家族に病気を理解して頂くきっかけにもなるようです。
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<インフルエンザ予防注射について>(H19年)

インフルエンザの予防注射を打っても、インフルエンザに罹ることは防げません。罹っても軽くすむのです。

そういう意味では「予防」という言葉が適切ではないのかも知れません。

この言葉が一般の方に「予防注射を打ったから、インフルエンザに罹らないはず」という誤解を生じやすく

しているのだと思われます。まだまだ流行り易い時期です、自己管理で予防をしっかりしていきたいものです。

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